大会長挨拶

日本遊戯療法学会第20回大会を、「遊戯療法を奏でる-精神と身体・リズム・メロディ-」をメインテーマに7月19日、20日の2日間に亘って開催いたします。本大会は日本遊戯療法研究会第1回大会から数えて第20回目を迎えることになります。日本遊戯療法研究会が第7回大会において改組され、日本遊戯療法学会として回を重ねてきたことによりますが、この記念すべき第20回大会へ皆様をお迎えする準備も進んでまいりました。ここに改めてご案内申し上げます。

基調講演にはフルーティストの宮本明恭先生(NHK交響楽団々友、国立音楽大学名誉教授)をお招きいたしました。フルートをお持ちくださるそうで「フルートとともに」をご講演テーマにお話しいただきます。子どもたちが自分を発揮してゆくとき必ずといってよいほど、精神と身体の両側面が活躍します。精神と身体の構造論的議論も音楽を通してできるかもしれないと思い立ちました。それは、宮本先生のフルートのレッスンにアナリーゼを聞くのが楽しみで行かせていただいていたかつての私の体験とつながるのかもしれません。瞬間の連続ともなる遊戯療法の精神と身体を語ろうとした時、五線譜上に並ぶ音符のリズムやメロディーがイメージされたのです。宮本先生のご講演とフルートの音色を聴かせていただき、続いて「遊戯療法を奏でる~精神と身体・リズム・メロディー~」をテーマに大会シンポジウムがご案内のように計画されています。

2日目には、第19回大会の大会テーマでありました「遊戯療法家を育てるために」を引き続き、顧問の東山紘久先生と村瀬嘉代子先生に対談という形式で論じていただきます。司会は山中康裕会長にお願いすることができました。

今大会のもうひとつのシンポジウム「子ども達は今、3.11から3年が過ぎて」が計画されています。現況から今後に向けて支援の方向性を探ることも討論の中でできればと思います。フロアーからも活発なご議論を期待いたします。

2日目の研究発表は、午前・午後・夕方と事例研究が行われます。遊戯療法学会の伝統は、心理臨床学会の初期の情熱を引き継ぎ、司会者のもと指定討論者2名で発表者の事例に対し十分な議論をするスタイルでございました。第20回大会は第14回大会まで引き継がれてきたこの研究発表のスタイルを再実現いたしました。発表事例はどれも意義深く、研究発表への参加は遊戯療法学会員にとりましては今大会の醍醐味のひとつとなるものと確信いたします。最後の発表時間が少し遅くなりますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

ワークショップはご案内のように12のコースです。どのコースも魅力的で迷われるかもしれませんが、ご希望に沿うようにご希望順位をつけてお申込みくださいませ。

至らぬこともあると思いますが、集ってよかったと思える大会にと、準備委員会一同心を込めて会員皆様のお越しをお待ち申し上げます。

日本遊戯療法学会第20回大会 大会長 安島智子