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ワークショップ

(4)現実に介入しつつ、心に関わる ~多面的心理援助アプローチの理論と実際~

田嶌誠一(九州大学名誉教授)

7月2日(日)   13:00 ~ 18:00


 長年心理臨床に携わってきて私が辿りついたのは、以下のことです。
 ごく簡単に言えば、人が困難にぶつかりつつもそれをなんとか切り抜けられるのは、ある程度の「体験の蓄積」があり、さらにそれをなんらかの形で整理して活用できるからだと考えられます。したがって、心理臨床では、「体験の蓄積・整理・活用」を支援していくことが重要だということです。
 さまざまな臨床現場で苦労しているうちに、結果としていつのまにか、内面を扱うだけでなく、ネットワークを活用するなどして、現実の生活に働きかけることも多くなってきました。そして、現場のニーズを「汲み取る、引き出す、応える」ためには、心理臨床家が従来のようにもっぱら心の内面や深層に関わるという姿勢(それも必要ですが)のみでは不十分で、「現実に介入しつつ心に関わる」という姿勢とそれに基づく多面的アプローチが重要になると考えるようになってきました。
 そうしたことについて、病院や学校や児童養護施設等での私の臨床の実際と工夫を①内面探求型アプローチ、②ネットワーク活用型アプローチ、③システム形成型アプローチ、といった視点で捉えお話する予定です。
【参考書】
現実に介入しつつ心に関わる ―展開編
 田嶌誠一編著 2016 金剛出版.
その場で関わる心理臨床 ―多面的体験支援アプローチ
 田嶌誠一著 2016 遠見書房.
心の営みとしての病むこと―イメージの心理臨床
 田嶌誠一著 2011 岩波書店.
現実に介入しつつ心に関わる ―多面的援助アプローチと臨床の知恵
 田嶌誠一著 2009 金剛出版.
【参考論文】田嶌誠一 2023 中井久夫とイメージ療法、そしてサムゲタン宮廷風のつくり方
 臨床心理学第 23 巻 2 号